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【書評】孤独という病 (池田清彦 著)

 

今回は、「孤独という病」を紹介していきます!

生物学的な視点から、孤独を考えていて、非常に面白かったのでおススメです!

生物学的な観点は新しい視点を提供してくれるので、

思考の枠を取り外すことができます!

生物学的な観点を日常に取り入れることで、

固定観念を取り払い、

シンプルに考えていくことができるようになると思います!

概要

生物学者が生存戦略の視点から説く、
現代人のための「孤独の飼い慣らし方」!


いま、日本人の約4割がなんらかの形で孤独を感じているという。

心身の健康リスクをもたらし、テロや無差別殺傷の引き金にもなるといわれる“現代の伝染病”が、
私たちに不安や寂しさを抱かせる理由とは?

「孤独の起源」を読み解くヒントは、人類の祖先が狩猟採集を行っていた時代の生活様式にあった。
現代を生きる我々は「ひとりぼっちを回避することによって生き延びた人びと」の末裔(まつえい)なのである――。

他生物との比較を交え、気鋭の生物学者が解き明かす、知られざる孤独の正体と処方箋!

〇「孤独になると死ぬ」という人類のトラウマ
〇「仲間を助ける」は生物界においては珍事
〇オランウータンのワンオペ育児は合理的
〇一匹狼は孤独を愛していないという事実
〇無益な争いを回避するサルの階級社会
〇ボノボの疑似セックスは孤独回避の知恵
〇生物界では「不倫」も立派な生存戦略
〇「みんなと同じことをやれ」の教育が孤独を生む
〇弱い個体ほど集団で群れたがる
〇「人生の意味」という妄想が人を苦しめる

https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A4%E7%8B%AC%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%97%85-%E5%AE%9D%E5%B3%B6%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%B1%A0%E7%94%B0-%E6%B8%85%E5%BD%A6/dp/4299036670

 

 

印象的だったのは、

「意味」を求めてしまうから孤独になるのだ。

というところ。

 

そして、孤独対策として、

「社会の役に立たなくていい」というマインドを持って、「自分の人生を楽しく生きる」ことを心掛けることだ。

とも書かれている。

 

たしかに、今の社会には、

社会の役に立たなければ、生きている意味がない。

というような洗脳がはびこっているような気がする。

 

生産性がないこと=悪

生産性があること=善

みたいな価値観を植え付けられてしまっている人も多いと思う。

 

たぶん、SNSが発達したことで、

他人からの評価が可視化されて、

「いいね」の数がその人の価値を決めているような妄想が広まったのも大きいと思う。

 

SNSの危険性については、多くの人が警鐘を鳴らしているし、

その結果として、デジタルデトックスみたいな概念も広く認知されるようになった。

デジタルデトックスとは? | DIGITAL DETOX JAPAN

 

なんとなく、生きにくいなと感じてしまう人が多いのは、

何もしなくても生きていていい。

という許可を自分自身にできていないからなのではないかと思う。

 

人生に限らず、とにかくあらゆることに対して意味をもたせようとする。たとえば、「この仕事をやる意味とは何か」「この人とつきあう意味とは何か」というようなことをいちいち突き詰めて、「意味がないことは、ムダで悪いことなんだ」という考えに囚われてしまうというのは、はっきりいって病気だよね。

185,186ページより引用

 

はっきり言って、

今の世の中、やる必要のない仕事が多いと思うし、

そんなこと全部AIにやってもらえばいいんじゃない?

と思ってしまうことは多い。

 

別に人間がやらなくてもいいんじゃない?

ということをわざわざ仕事にして、

それを生きがいにしている人もいると思う。

 

生きる意味なんてない。

一見、虚無主義に聞こえるけれど、

生きる意味なんて求めるから辛くなる。

っていうのは真実だと思うし、

 

生きる意味なんてなくても生きられる。

っていう人の方が圧倒的に楽に生きられると思う。

 

朝井リョウ氏の

「死にがいを求めて生きているの」

 

 

という小説でも、

生産性を求める人たちと、

生産性を求めていない人たちの対比を描いていたのだけれど、

今の世の中の縮図がその中にあったような気がした。

 

朝井さんの描く人物たちは、

すごく痛々しい。

でもすごく共感してしまうのは、

社会に流れる空気みたいなものを、

物語の中に反映させているからだと思う。

 

端的に言ってしまえば、

生産性のある人間が上で、

生産性のない人間は下だ。

っていう上下意識。

 

だれが作ったのかもわからないその上下意識が

すべての元凶なのかもしれない。

 

この本でも最後には、

支配階級と奴隷の話に行きついている。

支配階級の人たちは、マネーゲームでどんどん資産を増やす。

労働者たち(奴隷)は、汗水流して働いても資産は増えない。

そうやって頑張っても報われない構造の中にあるのに、

支配階級の人たちは、労働者に向かって、

働くことは当然だ!

みたいなことを言う。

そうやって労働者を「もっと、もっと」の洗脳の中に追い込む。

そのツールがSNSだったりもする。

そうやって人々を支配してきた歴史もある。

 

人々に上下意識を植え付けることで効率的に支配できるっていうわけ。

だからこそ、意識的に上下意識から解脱して、

生産性という幻想から解き放たれることが大事なのではないかと思った。

 

人間は別に生きている意味なんかなくても生きていていい。

それを自分自身に許可するだけだ。

 

ということで、おススメです!