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書評 ぜんぶ、すてれば (中野善壽 著)

久しぶりに、かっこいい!って思った本

それがこちら。

ぜんぶ、すてれば

ぜんぶ、すてれば

  • 作者:中野善壽
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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すごく良い本だと思います。

感化された部分はたくさんあるのですが、

その中でも特に印象に残った部分を紹介していきます!

何も、必要ありません。

ぜんぶ、捨てればいいんですよ。

最初の文。

立ち読みしたときの衝撃。

この文で買うのを決めました(笑)

 

今日がすべて。

颯爽と軽やかに、ぜんぶ捨てれば。

僕が何より伝えたいのは、「今日がすべて」という言葉です。

情報が多く、将来のことも、周りの人も気になる時代において、「今に集中する」のはどんどん難しくなっているのかもしれません。

(中略)

明日地球が滅びるかもしれないし、誰かをあてにしてもしようがない。

自分を花開かせることができるのは、自分自身に他ならない。

すべては因果応報。将来をつくるのは、今日の自分。

今日の自分を妨げるものはぜんぶ捨てて、

颯爽と軽やかに、歩いていこうじゃありませんか。

8ページより引用

いろんな情報、いろんな意見が飛び交う世の中で、

自分がどう生きていいのか、わかりにくくなってしまうこともありますよね。

老後にお金を貯めておかないといけないとか、

なるべく未来のために貯蓄しておかなくてはならないとか。

そういう正論が世の中にはたくさんあって、

たしかに、そうしておくべきなのかもしれないけれど、

それに縛られて、がんじがらめになってしまっている人も多いかもしれません。

お金がないと幸せにはなれないと思い込んでしまっているし、お金によって得られるものもたしかにあるのだろうけれど、本来の幸せは、内発的なもので、内側から沸き起こってくるものなのではないでしょうか?

その内発的な幸福感を感じるには、執着を手放していくしかないのかもしれません。

執着というのは、今ではなく、過去か未来に対するものです。

今この瞬間に対して執着はできないですよね。

今とかこの一瞬っていうのはすぐに通り過ぎていってしまうから。

どんなに執着しても、絶えずどんどんと入れ替わっていくものです。

だから執着っていうのは、過去や未来に対してするもんです。

人間というのは、時間の概念があるからこそ、今を楽しめなくなってしまう。

猫には時間の概念がないから、あるのは一瞬一瞬だけ。

過去を嘆いたり、未来を憂いたりしているのは、人間だけで、

過去や未来を考えられるからこそ、発展してきたものもあるのかもしれないけれど、

そこに縛られてしまっていては、今を楽しめない。

 

そんなパラドクスの中に生きているのが人間なのだと思います。

だから、仏教とか、神道とかの教えの中には解脱とか、中今のような思想があるのでしょう。

昔っから人の幸せは変わっていない。

伝統ある宗教に、人々が惹かれるのは、そこに普遍的な幸せについてのヒントがあり、

その教えによって本当に幸せに近づいてきた歴史があるからなのでしょう。

 

ちょっと話が脱線しました(笑)

 

要は、今を楽しく生きないといけない!ということです。

未来とか過去から学ぶのは大事です。

そんなことは誰でもわかることです。

過去の失敗に学び、未来に理想を持って、逆算して計画を立てる!

それは大事なこと。

でも、計画を立てて、実行する今日は今日のみに集中すべきで、

未来の計画は今日によっていくらでもかわってしまうのですから。

例えば、事故ってケガしたら、計画は破綻してしまうかもしれない。

それこそ、計画を頭の中でグルグル考えて、周りを見ずに歩いていたら事故ってしまう可能性は高くなります。

そんなことは置いておいて、今は今!と集中しないといけないよねっていうことです。

 

世の中に安定はない。

常に流れるのが自然の摂理。

 

永久に存続する企業もないし、自治体だっていずれは消えていくと言われます。

そもそも僕たち人間が生かされている自然世界そのものが、

常に流れ、変化をし続けているのであって、今日と明日で一つとして同じものはない。

一日単位では気づきにくい微々たる変化だったとしても、

大きな流れの中では激動している。

 

そんな世界の中で必要になるのは、安定を求める心ではなく、変化に対応する力。

冷たい風を一瞬感じて立ち止まる力。

そして、足先の方向をクルっと変えて、また颯爽と歩き出す力。

変化に強い自分を鍛えていくことを、若い人にはおすすめします。

32,33ページより引用

おっしゃる通りなのだと思います。

 

でも、若者としては、どうしたって楽をしたくなる。

安定していたほうが明らかに楽ができるじゃないですか。

楽に稼いで、楽に暮らしたいっていう思いが今の若者には特に強くあるように思う。

だから、世の中で評価されるのは、ひろゆき氏なんですよ。

 

みんな疲れてしまっているのかもしれません。

これまで、正しいと思いこんで頑張ってきたのに、それがあんまり役に立たないかもしれないという現実を知ってしまったから。

しかも、昔ほどわかりやすい社会ではない。

単純ではないし、答えも明確なものが存在しない。

どうするかは自分次第。

でも、今までの生き方として、自分で決めてきたことが圧倒的に少ない。

 

そうなると、どうしたらいいのか、わからなくなってしまうこともあると思うんです。

わからないことは苦しいし、先が見えない苦しみは楽になりたいという願望を生みます。

でも、元来、自然の中に生きていたのだから、環境は変化していくものなのです。

安定はありえない。不安定が当たり前。

不安定を楽しむことが大切なのだと思います。

 

不安定を楽しむにはどうしたらいいのか?

僕にもその答えはわかっていません。

 

でも一つ言えるのは、変化に対応し、不安定を楽しむには、それなりに知性を身につける必要があるのではないか、ということです。

 

コロナの中で学んだのは、情報が錯綜するなかで、冷静さを保てていた人は明らかに知性がある人だったということです。

世界史だったり日本史だったり、

歴史的に見て、感染症というものがどうやって世界に広がっていって、また落ち着いていくのか、

ある程度の予測が立てられていた人は落ち着いて行動できていたと思うのです。

落ち着いている人は、その状況自体も楽しめるかもしれないし、冷静さを失ってしまっては、なにも楽しむことはできません。

 

変化に対応するには、変化が大きかった時代に人々がどう乗り越えてきたのか、

歴史から学んでおくことが大事なのではないでしょうか。

 

究極的には、人の生が安定するのは死んだときだけ。

生きている限り、ずっと不安定なのだから、安定を求めるのはナンセンスなのかもしれません。

安定していると思いこんでいるものはすべて砂上の楼閣。

思い込みの産物なのです。

 

不安定は怖い。

でも、不安定を楽しむ勇気を持ちたいものです。

 

そんな感じで、めちゃくちゃいい本だったので、気になった方は読んでみてください!

 

ぜんぶ、すてれば

ぜんぶ、すてれば

  • 作者:中野善壽
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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では!