「すごくつらいのか?」
「それほどでもない」
自然に顔じゅうに笑みが広がるのがわかった。今、よく考えてみたら、それほどつらくない。どうしてつらいと思い込んでいたのだろう。ほんとうにつらいのはそんなことじゃない。
駄目になっていく自分をみすみす見逃すほうがずっとつらい。
「けど、あんまり高校へ行く意味が見いだせない」
「ふうん」
「じゃあかまわないじゃないか。逃げるように見えても、地球は丸いんだ。反対側から見たら追いかけてるのかもしれねーし」
「たった、それだけ」第6話から引用
逃げるのってどういうことなのでしょうか?
逃げるのって、悪いことなのでしょうか?
僕は人生には逃げるべき時があるように思います。
一つは、死ぬほどつらいとき。
もう一つは、大切なものを守るとき。
死ぬほどつらいなら、逃げてしまえばいい。
それで生き延びて、また立ち上がったら前よりは良くなっているかもしれない。