久しぶりに、書評でもしていきます。
今回、紹介するのは、ケイト・マーフィー著 「LISTEN」
読むのに結構時間がかかってしまいました(・∀・)
でもおすすめの本だなと思ったので、紹介していこうと思います。
この本の趣旨は
人々は、人の話を”ちゃんと”聞いていない。もっと”ちゃんと”人の話に耳を傾けるようにしたほうがいい!ということ。
この本では、なんで人の話に”ちゃんと”耳を傾けることが良いのか?
なんで、”ちゃんと”聞ける人は人生がうまくいくのか?
ということをものすごく詳しく解説してくれています。
実際、僕も読んでみて、
「ああ、たしかに、
あんまり人の話を聞いてなかったかも」
と思いましたし、
「なるほどな」
と思う部分が多数ありました。
特に良かった部分を引用していきますね。
「LISTEN」の本質的な部分
しかし、聞くことは簡単ではありません。
私たちのすばらしき脳は、他の人が話すよりもすばやく回転するため、いとも簡単に気が散ります。
すでに知っていることを過大評価し、傲慢になり、自分の誤解に気づけないままになります。
また、もし丁寧に聞きすぎたら、自分の考えに間違いがあると気づいてしまうのではないかとか、相手の感情を受けとめきれなくなるのではないかと恐れています。
だから、自分の殻の中に引きこもったり、互いの言葉をさえぎって話したり、携帯電話に手が伸びたりしてしまうのです。
テクノロジーは聞くことなど不要なのではないかと思わせ、聞くことを邪魔しています。デバイスは、人と親密になることを恐れる私たちを、甘やかしています。
たとえせつないほどに孤独なときでさえも、社会とつながっていると勘違いさせるのです。
私たちは人の面倒くさいところや欠点を避け、比較的安全なデバイスの中へと引き込まれ、気ままにスワイプ、削除を繰り返します。その結果、人間同士の交流から豊かさや細かな陰影が失われ、忍びよる不満感にさいなまれることになります。
(473ページ〜474ページより)
この部分は、この本で言いたいことの本質的な部分だと僕は思いました。
社会はどんどん便利になっていって、どんどん人と人とのつながりが失われるようになっています。
最近では、電話することすらはばかられるようになりましたし、
若い世代は特に電話に対して緊張するとか、
圧力を感じるようで、電話を避けがち。
僕もたまに電話でする必要ない話のときに
イライラしてしまうこともあります。
たしかにテキストメッセージのほうが
やり取りがスムーズに進むときもありますが、
身近な人間関係においては、
声などの「身体感覚」の伴ったコミュニケーションを大事にしていきたいものです。
若い世代は特に人間関係が希薄になっているのではないでしょうか?
なるべく膝を突き合わせて会話するとか、
ちゃんと面と向かって話すとか
そういう機会を自分から作るようにしていったほうがより良い人間関係を構築できるのではないでしょうか?
人は人の話を聞いているようで聞いていない
実は私たちの誰もが、愛する人に関しては思い込みをする傾向にあります。これは「近接コミュニケーション・バイアス」と呼ばれています。
親密であることやお互いを深く知っているというのは素晴らしいのですが、そのため自己満足してしまい、自分にもっとも近い人たちの気持ちを読み取る能力を過信するという間違いを犯してしまうのです。
118ページより
これは耳の痛い話ですね。
いったん距離感が近くなると相手のことをなんでも知っているような気になってしまうものです。
これは、脳がサボり魔だからということでもあります。
脳はなるべく省エネモードでいようとするので、
自分の知っているパターンに当てはめて考えようとしてしまうのです。
これがバイアスになってしまうと。
僕も、友達に対して、レッテル貼りではないけれど、
ちょっとした「決めつけ」をしてしまうときはあります。
これはたぶん誰にでもそうなのかもしれませんが、
この人はこういう人だから〜とか
あの人は前にあんなことを言っていたから〜
みたいな過去の蓄積によって相手のことをパターン化してしまうのです。
これはある意味、失礼なことでもあって、
過去からの延長線上でしか物事を判断できないわけですし、
その目の前にいる相手の今現在を”ちゃんと”は見ていないのです。
夫婦が長続きする秘訣は
毎日、初めて会ったかのような思いで相手を見ることです。
そうすれば、変なバイアスもかからないし、
ちゃんと今目の前にいる相手のことを見たり聞いたりすることができます。
まだまだいい部分はたくさんあったのですが、ここまでにしておきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
では。