また、恩田先生にやられてしまった。
なんで、こうも面白い小説を量産できるのか。
本当にすごい。
今回は、蛇行する川のほとり
を読んだ。
正直なところ、恩田先生の本はかなり読んだ。恩田先生の小説には、一定のリズムがある。第一章の最後に、最大の謎をつきつけてくる。
第一章の最後で、その物語に魂を持っていかれてしまうのだ。
今回も例にもれず、魂を持っていかれた。
「毬子さんが、僕の姉貴を殺したことだよ」
このぶっきらぼうな一文にやられてしまった。
「ちょっと!待ってくれってw」
そう叫んでいたw
そして、最後も印象的だった。
なんという結末…。
絶対になにか最後にあるのだろうと思っていたが、その期待を裏切らない。
やはり最後の最後で、残酷さの中に光明をみせてくれた。
「蛇行する川のほとり」には
残酷さとそれを受け入れていく少年少女のゆらぎが描かれている。
なんとも言い難い、青春ゆえのゆらぎ。
あとがきの最後にこう書いてある。
美しくて残酷なこの世界。それでもーーあるいは、だからこそーー少年も少女も私たちも、みっともなくもしたたかに生き延びていかなければならないのかも知れない。
この物語で語りたかったであろうことのエッセンスを見事に凝縮している。