こんにちは。
今回は、京大の総長の山極寿一さんの「スマホを捨てたい子どもたち」という本を紹介していこうと思います。
著者の山極さんについて、本書から引用しておくと、
1952年、東京都生まれ。霊長類学者・人類学者。京都大学総長。京都大学理学部卒。京大大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学、理学博士。ゴリラ研究の世界的権威。
単位取得退学ってなに?って思ったので、調べてみた。
単位取得満期退学(たんいしゅとくまんきたいがく)とは、日本の人文・社会科学系の大学院博士課程において、課程博士号をほとんど付与しない慣行が戦後長らくあったことを前提に、課程博士号に準じるものとして、一般的に使われている学歴的表記である。 「○○大学大学院○○研究科博士課程単位取得満期退学」などと表記する。
(ウイキペディアより引用)
この著者さんは、ゴリラとの対話、フィールドワークを通して学んだ非言語を重要視していて、現代のSNSやテクノロジーへの警鐘を鳴らしている人でもあります。
テクノロジーは進化しても人間の脳は進化しない
スマホが現れ、さらに通信規格も3G、4G、5Gとどんどん進化しています。
ちなみに、5Gは超絶危険なので、ちゃんと調べてみるのをおすすめする。
これほどまでにテクノロジーは進化してきましたが、人間の脳は進化していません。
いくらSNSでつながる人が多くなっても、安定的に信頼関係を保てるのは、150人が限度だと言われています。
その150人の中でも、本当の意味で信頼関係を築けるのは10人程度しかいません。
これは、人間がいくらテクノロジーを開発しても変わることがほぼありえない数字。
人間の脳の大きさは、いつの時代もほとんど変わりません。それどころか最近では脳が小さくなっているほどです。(退化)
その意味で、人間の根本は昔から変わっていないと言えるでしょう。
孔子や老子の教えが今でも素晴らしい教えとして残っているのもうなずけます。
信頼は同調からしか生まれない
本書から引用させてもらうと、
人間はこれまで、同じ時間を共有し、「同調する」ことによって信頼関係をつくり、それをもとに社会を機能させてきました。「同調する」というのは、たとえば、ダンスを踊ったり歌を歌ったり、スポーツをしたり、あるいは一緒に掃除をしたり、同じように身体を動かしたり調子を合わせながら共同作業をするということです。
この部分には、かなり納得する。
僕の経験上では、仲良くなった友達の多くは、中学校や高校、大学で多くの同じ時間を共有した人たちです。(当たり前かもしれませんが)
多くの時間をともにして、身体感覚をともなった活動を「一緒に」「協力して」行うからこそ、仲良くもなれるし、信頼関係も築かれていく。
剣道をやっていると、やはり仲間との信頼関係をしっかり築くことができますし、稽古では、文字通り「体当たり」でぶつかったりするからこそ、仲良くなりやすいのかなと思います。
若い世代は適応能力が高いから、スマホに逃げる
「身体の感覚を伴った体験なら、イベントがあるやん。」と思うかもしれません。しかし、イベントごとなどは一過性です。つまり、一回きりで終わってしまうため、多くの時間を共有したことにはならないということです。
イベントごとなどは、テンションが上がるかもしれませんし、いっとき楽しいかもしれません。しかし、イベントのあとは、疲れが溜まったり、上がった分だけ下がるのが普通です。
僕個人の意見としては、ライブなどのイベントはあまり好きではないです。
上がり下がりがあると、感情がぶれますし、面倒に思ってしまうんですよね。
それから、そのテンションが下がった時間を補完する役割が、SNSであると、この本の著者は言っています。
しかもインターネット上のつながりというのは、「ぶっち」したければいくらでもできますし、都合が悪くなったら、すぐに断つことが可能です。
いつまでも自分の都合のいい空間が広がっているから、スマホに依存してしまう。
現実を生きていたら、そら嫌なことだっていくらでもあるし、まどろっこしくて、めんどくさいことのほうが多い。
しかし、現実を生きているのが人間なわけで、そういつまでもスマホに依存していても成長がありません。
僕よりも下の世代は、特に注意が必要で、スマホが当たり前の社会に生まれてくるのは、よくよく考えると恐ろしい。
若い世代は、適応能力が高いため、すぐにスマホに適応してしまいます。
大人は、ある程度人格も出来上がっているし、精神年齢も高いはずなのでなんとかなりますが、子供は、子供です。
要は、すぐにスマホの世界に慣れてしまって、抜け出せなくなる。
これは、マズイ。
スマホの中でのつながりは、自分にとって都合がいいかもしれませんが、本当の意味で、信頼関係を築くためには、やはり身体感覚が必要不可欠。
体感として、人とつながっている方が断然めんどくさいけど、断然心地良いはず。
多くの大人もそれはわかっているのだけれど、人間関係を築くのは怖さも伴いますから、スマホに逃げてしまう。子供ならなおさらです。
最後に
まだまだ語り足りないので、この本をテーマにもう一つ記事を書こうと思います。
大体いつもは、一冊で一記事なんですが、今回のテーマは非常に重要なテーマなので、次回も書いていこうと思います。
超面白いので、ぜひ読んでみてください。
新書は読みにくいという先入観があるかもしれませんが、そんなことないので、ぜひ手にとって見てほしい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
では。