こんにちは。
今回は、日本人なら知っておきたい神道という本について紹介と神道をテーマに書いていきます。
この本は、本当に基本的なところを学べる良書です。
神道とは?
神道というとぼんやりしたイメージがあるかと思いますが、実際に神道とは?と聞かれても明確な定義は存在しません。
日本の独自の考え方であり、宗教でもある。しかし、ほかの宗教のようなわかりやすい教えというのは存在せず、なんとなく神道の考え方はみんな知っているけれども、みんな知らないという感じなのが神道だと思っています。
日本には神社がありますよね。神道の聖地という感じなのが神社で、神社の歴史自体がとても古いのと、神社はあちこちにあるので、聖地と言えば聖地なのですが、多すぎるんですよね。
聖地と言えば、僕はエルサレムを思い浮かべますが、日本の神社はエルサレム的な感じでもないように感じます。
この本は、神道の歴史から、罪や穢れといった神道独自の概念についても詳しく紹介していて、ほかの宗教との違いなどについても図や絵を使ってわかりやすくまとまっています。
また、神道に欠かせない日本書紀、古事記の主要な神話についても書かれており、非常に良い本です。
本書のイチオシポイント
まず、神々の系図が載っていることです。
日本の神様は、八百万の神というくらいなので、非常に数が多い。
なので、それをわかりやすくした系図が載っているのが、いいんですよね。
それと、神社にはいろいろな種類があって、それぞれの特徴についてわかりやすくまとまっているところも良いところです。
稲荷系、天神系、八幡系、住吉系などなど。○○大社というのは○○系の総本山である場合がほとんどですが、この本には、それぞれの基礎知識についても書かれていたり、お社の違いについても絵を使ってわかりやすく書かれています。
神道は寛容である
神道というのは、懐が深く寛容であるとも言われます。
考えてみれば、日本人の懐の深さの源泉なのかもしれません。
例えば、結婚式を挙げると、キリスト教徒でもないのに教会であげたり、神社でもあげたり、他の国では宗教の関係で日本のような選択の自由がなかったりするものですが、日本の場合はかなり自由ですよね。
これも神道の寛容さに影響を受けているのではないかと考えられます。
いろいろな文化を受け入れて、それを発展させていくのが日本の良いところではありますが、裏を返せば、良いことも悪いことも受け入れすぎるということがあるのかもしれません。
今の日本は、海外のことを受け入れすぎて、西洋に偏り過ぎているような感じがします。
もともとあった日本の精神性が失われつつある現状には懸念せざるを得ません。
神社の観光地化や、外国人が増えたことで、神社が崩壊してきているという話もよく聞くのですが、日本の神社はもともと写真を撮るためのスポットでもなければ、観光地でもないのです。
人々が本気で世のため人のために祈りを捧げる場でした。
そういう神聖な、敬虔な気持ちで参拝している人が少なくなってしまっているのは非常に悲しいことではありますし、少しでもこういう記事を読んだ人の考え方が変わり、自分以外の誰かの幸せを祈るような気持ちをもてるようになるといいなと思っています。
神が本当にいるかは問題ではない
まず、後書きの部分の引用すると
なぜ、そのような神道が、文明が発達し、科学万能の時代になってもうけつがれてきたのだろうか。それは「神様がいる」とまではいわなくとも、これまで多くの人たちが、「神をまつり、自然を大切にして、人間どうしが信頼しあって助け合う世界が望ましい」と考えたことによるものではないか。
(p.216より)
これには激しく同意。
神がいるかいないかは僕は問題だとは思いません。
僕は神様はいると思っていますが、いないと思っているより、いると思って敬虔な気持ちをもって自然や地球や宇宙や人間関係、偶然などいろいろな出来事、物事に対して神様の計らいを感じることは良いことであるのは間違いないのです。
神様なんていないと思って自然に対して敬いの気持ちがないよりも、大いなる自然、人間では太刀打ちできないほどの大いなる存在に対して畏れ敬う気持ちを持って日々粛々と慎ましく生きるのは美しいなと思います。
この本では神道の基本を網羅的に学べるので、とてもオススメの一冊です。是非一読を!
では。