遅読術
内容
今、流行りの速読術。
しかし、そんな読書は意味がない。
名著を腰を落としてじっくり読んでいくことこそ、読書の価値がある。
一般的な速読術では、単に知識をインプットすることを目的としているが、本来の読書の意義には反しているのではないか。
その結果何が得られるのかということを考えれば、そのような読書術はマクドナルドのような食事に似ていると
本来の読書からかけ離れてしまっている。
本来は、先人の優れた考え方、思考回路を自分にインストールしていくことが読書の目的であった。
しかし、昨今の読書術で言っているのは、野蛮な読書術である。
ざっくりいうとそんな感じのことが書いてあります。
感想、レビュー
とても良かった。
文章に爽快感を覚えます。
割と卑近な例を用いて説明してくれているので、わかりやすく、かつ面白い。というのが印象です。
僕は、はからずも遅読をしていました。
この本では、速読を否定的に考えていますが、僕的には、読書の目的が単なる情報収集なのであれば速読を使い、先人たちの叡智に触れたいなら遅読を使うようにすればいいのではないかと思います。要は使い分けをすればいいのではないかと。
筆者もこの本を書くにあたって、速読して情報収集したでしょうし。
この本では、基本的に、情報収集の目的で読む本なんか読まなくてもいいということが書いてありますが、わかる気もしますし、情報収集も一応したほうがいいのではないかとも思います。
筆者が言いたいのは、もうすでに名著は世界に溢れていて、それを読まずして、ビジネス書なり、小説を読むのは愚かなんじゃないかということだと思います。
たしかに、名著は読みきれないほどありますし、基本的に普通のビジネス書よりも優れているとは思いますが、
名著だけ読めばいいと言うのは少し言い過ぎな感じがしました。
名著はそれなりに基礎となる知識がすでにないと読破できませんし、かなりエネルギーのかかる読書だと思います。
なので、読書習慣がなかったりする場合は、平易な文で書かれた本から読んでいくべきであろうと思います。
まあ、おそらく筆者は基本的に大人の知性的にも出来上がった人に向けて書いているので、そういう初心者向けのことではないのだと思いますが。。
まとめると、この本はある程度読書をしている人、基礎知識のある人に向けた本で、世の中の流行っている速読術に対して、異議を唱えている本です。
僕自身も、遅読はしていくべきだと思いますし、名著はたくさん読んでいきたいと思います。
ではありがとうございました。